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2004年度 文部科学省 人権教育研究指定

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人権教育指定校としての研究推進について

 本校が、人権教育指定校に立候補したのは、予め出した事業計画の通りです。しかし、学校種が知的障害養護学校であり、普通教育と内容が大きく違っています。 普通教育で言う人権教育は、おそらくは児童・生徒に教育を通して人権意識を高めたり、学校全体としても意識変革を行うというものだと思います。
 しかし、本校では、人権教育を(知的理解を通して)児童・生徒に行うことは困難です。本校で行っている宗教教育に準じて話します。本校は、キリスト教を価値基準とする学校ですが、キリスト教(聖書や教義)を教えることは困難と考えます。しかし、キリスト教の教える価値観や人間関係を学校という環境に活かすことはできます。命の重さと平等、隣人としての人間関係など実践を通して明らかにし、また学校生活と環境に活かしてきました。
 日本水上学校からの歴史、聖坂養護学校になってからの歴史を辿るだけでも、知的障碍者の人格を尊重する人権獲得の歴史と見ても良いと考えています。
 ですから、本校の人権教育指定は特別なテーマを設けての研究というよりは、学校あげての取り組みを点検し明らかにする取り組みと考えています。
 これらのことは、教育の中でも特殊教育、障害児教育、知的障害教育と教育界の片隅で行われたことです。文部大臣(河村文部大臣2002年全国特殊学校校長会)によって「障害児教育は、教育の原点です」と言われた現在も、まだまだ片隅の存在です。
 私は、人権教育指定のこの機会に、多くの方に知的障碍者の人権について知ってもらいたいと考えています。
 小さな学校、教育の片隅で行われてきたことです。しかし、障碍者の人権、その中でも遅れている知的障碍者の人権を考える大切なヒントや要素が、私達の学校の歴史と実践、ビジョンとして目差している中に含まれていると考えています。(また、この最も小さな存在に目を留めその人権を守ることは人権運動そのものの大きな推進になると確信している。)

 

研究推進体制について

 人権教育指定校に立候補するに当たり、検討したのが主任会議であり、立候補していることを理事会にも報告し内諾は得ている。学校全体で主体的に取り組むことに支障になることはない。

(1) 研究組織について

 一方、本校は特別な研究部会やプロジェクトを組むほどに大きな組織ではない。現在、校長以下24名ほど(臨時雇用も含めると56名)の組織である。
 現在、教育実践を含め研究的にリードしている組織として2つある。

@ 聖坂教育基本研究会

聖坂教育の在り方を検討する研究会。3年間かけて、聖坂教育のまとめと在り方について提言。

A 研究会

日常の教育実践力を高める為、教職員が資料の活用や教材研究、実践についての研究を行う。(夏休み、冬休み期間を利用) 現在の時点では、聖坂教育基本研究会の中で、テーマを加え、人権の立場からまとめてゆきたいと考えている。

(2) 理念の整理について

 一つは、本校の歴史(日本水上学校にまで遡る)を辿る。人権の視点で、創立者から現在までのキリスト教に導かれ歩んできた歴史を整理したい。 そこには、時代を担った教師の思いと学校の状況や児童・生徒、保護者の思いなども掘り起こせるかも知れない。
 本校は、日本水上学校としてのスタート、小学部だけの養護学校時代、中学、高等部設置、専攻科の設置等、時代を経て、大きく変貌した。
 一方、教育も「知的障碍児教育はどうあるべきか」のメインテーマの下「発達段階に応じた教育」「生活年齢を配慮した教育」「障碍特性を配慮した教育」と大きく変わってきた。
 また、オープンシステムを導入し、学校、学部、学級、教室を開いてきた。
 指導形態も、学級中心の(普通教育に)準じる教育から、能力差を配慮した発達段階別グループ指導、集団指導から個別計画による指導と変わってきた。また、担任教師による教育から教師集団によるチームティーチングになった。
 こうした、大きな変化は、単に形が変わっただけではない。時々の理念と方法論が形態を変えてきたのである。そして、この歴史は、教育の充実の歴史である。教育理念、教育理論、教育法、指導法といった精神史であり教育技術史でもある。そして、子どもの命を守り、障害児の命に目を止め、命を輝かす取り組みでもあった。これを人権の視点から再整理をしたいと思う。

人権の視点からの本校教育(障碍児教育)の検証

障碍児教育は教育の原点であるとの立場から、教育の在り方として提言

@ 学校の在り方
A 教職員の在り方
B 教育指導方法の在り方
C 地域との連携の在り方  全て網羅し検証。

公立学校は、大規模であったり、職員が入れ替わるのを前提として組織が作られ機能していると思う。本校は、小規模、職員の移動もなく積み上げが前提の組織である。条件の違いを前提で理解頂きたい。研究の在り方、組織の在り方、切り替えの早さなど違いが際立つかもしれない。一方、組織だっていない点がウィークポイントかも知れない。

(3) 研究推進について

当面は、私(校長)と主任、或いは、研修に行った教諭がそれぞれの視点で学んだことをまとめる。私は、まだ構想段階であるが学んだことと、本校の歴史、教育の変遷との関係を整理してゆく仕事がある。
 年末の研究会で取り合えず報告会は持つ。できれば、講師を招いての研修も持ちたいと考えている。

 

8月の研修について

本校教育を人権の視点から整理する為にも人権に対する研修が必要と考えた。
 人権の視点がなければ、単なる本校の教育史になってしまう。少し大上段に構えた大変な作業と思いつつ、今問題になっている不適切な障碍児教育や様々な問題を抱えて混迷する教育界に「こんな教育もある」と知って頂ければ願っている。

 

留意事項について

人権教育要項

理念の整理で書いた様に、本校教育全体を見ている。人権の問題は、小手先の問題ではない。教育全体に関わる問題、教師の姿勢であり、子ども同士の人間関係であり、教育環境であり、地域との関係、学校間の問題も含まれている。
 本校の言う人権研究は、総合的である。留意事項に示される項目は、着眼点と認識している。もちろん、全体で取り組むなどと言うことは途方も無いという組織の大きな学校もあると思う。しかし、本校は本校の実態を踏まえ進めたいと思う。

@ 各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等の特質に応じた指導の在り方

A 一人ひとりを大切にした、人権が尊重される学校・学級づくりの在り方

B 児童生徒の自主性を尊重し、課題意識を持って自ら考え主体的に判断する力を育成するための指導の在り方

C 多様な体験を取り入れるなどの指導方法の工夫の在り方

D 効果的な学習教材の選定・開発の在り方

E 組織として人権教育に取り組む学校の在り方及び点検評価の在り方

F 家庭・地域との連携や学校間(特に異校種間)の連携・接続の在り方

G 効果的な教職員の研修の在り方

 各項目には、比重の差はあれ、全てにわたって触れることになると思う。

注:

1.「人権教育及び啓発に関する法律(平成12年法律第147号)」,「人権教育・啓発のあり方に関する基本計画(平成14年)」等を十分に踏まえて研究を行うこと。 法律の内容をよく吟味し、法律の理念を踏まえて研究を行う。

2.人権教育総合推進事業・人権教育研究指定校のそれぞれの目的を踏まえ,適切な研究主題を設定し,例えば次のような内容(いくつかの組み合わせもあり得る)について実践的な研究を行うこと。

基本計画を踏まえ研究を推進する。基本計画には留意事項が付されており「人権教育総合推進事業」と「人権教育研究指定校」にわけて推進されている。本校は「人権教育研究指定校」の指定を受けての研究である。しかし、地域との連携も学校が求められており、本校としても地域問題を大切にして取り組んできた。研究では、人権に対する総合的な視点から考察しまとめたい。

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Revised: 2015/11/11.